カフリンクス= cuff linksの作り方、デザインなど

暑いですね…。クールビズのおかげ(?)で,ノーネクタイに半袖シャツというスタイルが一般的に見られるようになりました。今回紹介するのはカフリンクスに関するレファレンス事例です。カフリンクスは,一般的にカフスボタンという言葉で知られているかもしれませんが,日本独自の言い方のようです。
まずは,回答と回答プロセスを引用します。

<回答>
下記は日本語で記述が詳しくある資料。
(1)『エスカイア版20世紀メンズ・ファッション百科事典』p260-269 【070014066 /593.37/S】
   ジュエリーの項目にカフリンクスについての記述とデザインの図と写真が豊富だが、白黒である。
(2)『ボタン事典』p196-197 【100088281 /383.3/B】
   詳しい記述はあるが、デザインが分かるものではない。
(3)『メンズファッション大全』p457-458【100575422 /593.37/Y】
   デザインや種類がたくさんあることがわかる。カフリンクスは、宝石をあしらったものや、金属製のカフリンクスなどさまざまな素材で作られている。構造も根元がバネ仕掛けになって、棒の部分を折り曲げて留めるバネ式タイプや、スナップボタンのようにパチンと留め合わせるタイプのスナップ式、鎖で連結して留めるチェーン式があることがわかる。
(4)『Men's EX = メンズエクストラ』15巻5号通巻169号(2008年5月)【800813274】
   カフリンクスのブランドと歴史が簡単に紹介され、最新のデザインのカフリンクスが見られる。
(5)『Men's club』576号(2009年1月)【800878706】
   カフリンクスのデザインも見れ、カフリンクスのコーディネート術も掲載されている。

下記の資料は洋書であるが、カラー写真が豊富でデザインの参考になると思われる。
(6)『Cuff links』by Susan Jonas and Marilyn Nissenson 【100662564  /383.3/J】
(7)『200 years of American manufactured jewelry & accessories』 Suzanne Marshall 【100350173 /383.3/M】
(8)『Cuff links』Bertrand Pizzin, Jean- Noël Liaut ; foreword by Karl Lagerfeld 【100434406 /383.3/P】

作り方は、下記の資料に掲載。
(9)『手づくりのジュエリー』p132-134 【000290241 /755.3/W】
   既成のとめ金を使用しての作り方と手作りのとめ金のデザインも掲載されている。
(10)『手づくりのアクセサリー』p159 【000175375 /755/T】
   既成の金具を使用して革のカフスボタンの作り方が掲載されている。
(11)『宝石デザイン教室 III』p216-217 【000079628 /755.3/H/3】
   デザインと金具やとめ金の説明が掲載されている。
(12)『花結びのアクセサリー』p18,31 【100288059 /594.4/T】
   金属製の金具を使用したカフリンクスではなく、紐を使っての作り方が掲載されている。

インターネット上にカフリンクスカフスボタンの専門店のホームページがあり、写真が豊富に掲載されている。
(13)『カフショップ』http://www.cuffshop.com/
(14)『カフス(カフスボタン)専門店』http://www.cuff.jp/


※【 】は自館の資料IDと請求記号

<回答プロセス>
カフリンクスは一般的に男性のファッションと考え、メンズファッションの資料もあたった。(3)の資料『メンズファッション大全』を見ると、カフリンクスとは、「日本では一般的に「カフスボタン」と呼ばれるもの」、「飾りのためのアクセサリー」とあるので、ボタンの資料をあたる。ボタンの資料だけでは、カフスについて書いてあるものがあっても、図版が少ないため、アクセサリーということなので、アクセサリーやジュエリーの資料をあたった。
また、インターネットの検索エンジンから「カフリンクス」と検索し、(13)、(14)のカフリンクスの専門店のホームページがあり、カフリンクスについての記述と多くのカフリンクスの写真が見ることができた。

http://crd.ndl.go.jp/GENERAL/servlet/detail.reference?id=1000060149

様々な資料が回答文中に紹介されています。これだけあれば質問者が更にカフリンクスについて調べたい場合にも糸口が見えるのではないでしょうか。
まず,キーワードの選択が大事です。回答プロセスをみてわかるように,カフリンクスがメンズファッションのアイテムであること,カフスボタンと呼ばれることが多いこと,の2点がレファレンス質問への調査を始める時のポイントです。知っていればいいのですが,「カフリンクスって何だ?」という場合,通常は事典類を用いて,それがなんであるのかを知る必要があります。もっとも,この事例を提供している文化女子大学は服飾系の研究が盛んですので,当然服飾に関するレファレンスが多いもはずですので,そういう背景も調査の手がかりになるはずです。
洋書が何冊か紹介されていますが,これは素晴らしいと思います。個人的な印象ですが服飾に関する資料で豊富な図版を有している資料は洋書に多いような気がします。カフリンクスは西洋服飾のものですので,当たり前といえば当たり前ですね。
更に和文献として『Men's EX』や『メンズクラブ』を紹介しているのもいいと思います。男性向けファッション誌ですが,こういう一般雑誌(いわゆる学術誌ではない)をきちんと収集保存して,適切に利用出来る環境というのは素晴らしいです。これは大学の研究に関係する分野の資料ということでしょうが,一般誌というのは一度バックナンバーになってしまうと,なかなか簡単に入手できそうで入手しにくいという特徴があるため,こういう図書館の存在はありがたいと思います。
さて,質問はカフリンクスの作り方についても資料を求めています。カフリンクスは宝飾品,ジュエリーとしての要素が強いということからのアプローチが効いていますね。
そして,ネット上の専門ショップの紹介も面白いです。専門店があるんだなぁ…とついいろいろ見てしまいます。レファレンス協同データベースの改修が行われ,回答文中に記述されたURIハイパーリンクが付与されているので便利ですよね。細かな使い勝手がよくなっていると思います。これは嬉しいですねー。
僕はたまにカフリンクスを着けることがあります。よく使うのはゴムで出来たカフリンクスです。安いしカラーバリエーションが豊富だし…ということで手軽なので。最近のシャツはシングルシャツでもコンパチブル仕様ということで,ボタン止めだけではなくカフリンクス対応のシャツが多くて楽しいです。でも,暑いですからねぇ…。さすがに長袖を我慢して着るというよりは,腕まくりしたり半袖だったりとなるんでしょうか。
ずいぶん間が空いてしまいました。この間のことはおいおいどこかで書いてみようかと思ってます。なるべくちょこちょこ更新しようと思いますので,どうぞよしなに。