大阪の雑誌<トレンディ情報編>

どこかに出かける時に,行き先の情報を入手しようと思ったら,どうしましょうか。
ガイドブックを見たり,インターネットで検索したり,というのは出発前にできますよね。行った先で街を散策しようとするなら,ぜひその地域の公共図書館へ行ってみるといいと思います。nachumeは出張で出かけた先に図書館があると,とりあえず地域資料コーナーや雑誌コーナーをみて,その地域の情報を仕入れています。
公共図書館には規模の大小はあれど,地域資料のコーナーがあります。そこには地域情報誌や街情報誌がバックナンバーを含めておかれていることが多いので,それを手にしてみると,意外と面白い情報が得られるかもしれません。
今回紹介するのは調べ方マニュアルで,大阪府立図書館が作成した大阪地域の情報誌の紹介です。

大阪資料・古典籍室で受け入れている、文化情報を掲載している主な雑誌です。
右端の記号は、大阪資料・古典籍室の設置コーナーを表しています。

■「あまから手帖」 クリエテ関西 雑-2976#・P59-9N 地域情報
月刊。「大人の愉しい食マガジン」。関西のおいしい飲食店の紹介。ホテル内のレストラン情報、デパートの食料品情報なども載っています。
所蔵: 創刊号(1984/11)〜11巻5号(1995/6で休刊)/新装刊(1996/8)〜

■「KANSAI WALKER 関西ウォーカー」 角川書店 P05-143N 地域情報
隔週刊。旬のテーマ特集、ニューオープン店の紹介、話題の新商品、街のニュースの他、映画・音楽・スポーツ・演劇・アート情報などが載っています。2週間のテレビ番組表つき。
所蔵:創刊号(1994/7)〜

■「KANSAI1週間」 講談社 P29-43N 地域情報
隔週刊。旬のテーマ特集の他、流行通信、イベント情報、映画・音楽・演劇情報などが載っています。2週間のテレビ番組表つき。
所蔵:創刊号(1999/3)〜

■「L magazine」(エルマガジン) 京阪神エルマガジン社 P79-6N 地域情報
月刊。「街とエンタテイメント ひと月のいいトコだけを」。特集は、本屋、音楽、韓国とバラエティに富んでいます。映画・演劇・音楽・芸術・スポーツ情報などが載っています。1ヶ月のテレビ番組表つき。
所蔵:19巻4号(1995/5)〜 [一部欠号あり]

■「KANSAI TIME OUT」 S.U.press P29-36N 地域情報
月刊。本文英語。「外国と日本を結ぶかけ橋」。祭情報、コンサート情報の他、映画レビュー、CDレビュー、芸術情報などが載っています。
所蔵:246号(1997/8)〜


■「SAVVY」(サヴィ) 京阪神エルマガジン社 地域情報
月刊。「京阪神を使い切るためのOLライフマガジン」。ランチ特集・スイーツ特集から、奈良・京都、四国、神戸・淡路・北摂など様々なテーマで特集が組まれます。話題の店紹介、映画・ファッション情報などが載っています。
所蔵:16巻6号(2000/6)〜 [増刊号は所蔵なし]

■「ChouChou 関西」(シュシュ関西) 角川書店 地域情報
月刊。「女性のための関西ウォーカー」。特集は、休日プランや温泉、カフェ、パンなど様々です。この他、グルメ・ファッション情報が載っています。
所蔵:49号(2000/4)〜

■「HANAKO WEST」 マガジンハウス 雑-3552#・P05-141N 地域情報
月刊。特集はグルメ、美容、雑貨、古都など様々。グルメ・ファッション情報が載っています。
所蔵:創刊号(1990/12)〜

■「ぴあ 関西版」 ぴあ P05-697N 地域情報
隔週刊。映画・音楽・演劇・アート・スポーツ・イベント情報などが載っています。話題の人へのインタビュー記事などもあります。2週間のテレビ番組表つき。
所蔵:291号(1994/10)〜

■「Meets Regional」 京阪神エルマガジン社 地域情報
月刊。「街を知る人の雑誌 街に一番近い人の雑誌」。銭湯から近代建築まで、特集は多彩。京阪神の街を密着取材。
所蔵:76号(1996/4)〜 [欠号あり]

この他、「C-work」(大阪市交通局)、「TOKK」(阪急電鉄)、「みなさまの足 阪神電車」、「近鉄ニュース」、「K−PRESS」(京阪電鉄)などの沿線ニュース類や、大阪のコミュニティ誌も所蔵しています。

*現在も、継続収集している雑誌の検索ができます。
http://reference.library.pref.osaka.jp/magdb3/msearch.htm
*バックナンバーの所蔵は、蔵書検索のページで、ご確認下さい。(新しい巻号は一部データ未入力のため、所蔵していてもデータが表示されない場合がありますので、各カウンターへお尋ね下さい)
http://p-opac.library.pref.osaka.jp/

http://crd.ndl.go.jp/GENERAL/servlet/detail.manual?id=2000000346

結構な数がありますね。大阪は大きな都市なので,多くの種類の情報誌があります。さすがに,どこに行ってもこんなに多くの種類の地域情報誌があるとは言えませんが,それでも,それなりに図書館には置かれているもので,見てみると面白いですよ。
調べ方マニュアルは,事例と異なり,ある程度テーマに普遍性を求められます。このマニュアルの場合は,「大阪の雑誌」で「トレンディ情報」という側面がポイントになっています。こういうリストがあると,自分が知らない所であっても,より多くのまち情報の効率的な情報収集ができますね。
いくつか,この調べ方マニュアルで注目しておくべき事として,雑誌のコメントをきちんとつけて,それがどういう情報誌なのかがわかるようになっている点をあげたいと思います。単なる一覧表で提供されるより,こちらの方が利用する側からすればありがたいですよね。
またバックナンバーの案内も忘れずに行っています。詳しい所蔵状況は目録を引くのが確実ですが,その目録を見るときの注意点である「新しい巻号は一部データ未入力のため、所蔵していてもデータが表示されない場合があります」を書いているのも良いですね。
そして,出版社の出す情報誌(この例だと,『関西ウォーカー』など)以外に,鉄道・バスなどの公共交通会社のミニコミ誌なども紹介している点は見逃せません。nachumeの勤務する図書館にも,バス会社の監修でつくられている情報誌があって,それは数ページのフリーペーパーなのですが,意外にまち情報が豊富で,おもしろいです。バックナンバーをあわせて1年分くらいなら,それほど時間がかからずに目を通すことができます。
一般に雑誌を図書館で探すときの注意点に保存年限があります。この事例提供は大阪府立図書館ですので,おそらく雑誌の除籍はおこなわないものと思いますが,図書館によっては,バックナンバーは3年で廃棄などと決めているところもあります*1。雑誌の除籍を行う図書館で,こういうリストをつくるなら,保存年限も明記しておくべきでしょう。

さて。調べ方マニュアルに全国の図書館がつくった地域情報誌のリストが集結したらどうでしょう。出張前に,レファレンス協同データベースでその地域情報誌のめぼしいものにあたりをつけて,空いた時間に図書館で,雑誌をチェックする,なんてことが全国各地でできるようになったら,すばらしいんじゃないかと思っていますが,いかがでしょう?

*1:除籍された雑誌は単に廃棄されるのではなく,地域の県立図書館へ移管するなどして,必要に応じて資料の提供は可能です。都道府県図書館の本来業務には,このような資料保存センターの役割があります。