フォローの仕方について考えてみた件。

ちょっといつもとは違う趣向で。レファレンスとはあんまり関係ないです。自分に近いことを書かないというスタンスで記事を書いているのですが,今回はその例外です。
1年前の6月14日は岩手・宮城内陸地震が起きた日です。地震があったその日は朝から勤務をしており,地震があったその瞬間はトイレの中にいました(すみません。ふざけているわけでは無いのですが…)。揺れがすごくて,いろんなものが壊れたんじゃないかと思いつつ恐るおそるトイレから出たのを覚えています。内部ではすぐにいろいろな場所の安全確認等に取りかかりました。
その日は一日を通して余震が沢山起こり,いろいろな情報が飛び交い,岩手県南部と宮城県北部の方で被害が甚大らしいということが分かり,個人的な事情ですが,それがなによりも不安になったのを覚えています。
次の週休日に実家に戻り,あれこれの無事を確認して,幾分ほっとしたのでした。その頃には地震の情報も正確に知ることができるようになっていました。その足で一関や栗原の図書館へ様子を見に行ったのでした。
そんな自分自身の個人的な事情をさておき,災害時のお知らせをどのようなルートでどのように誰に伝えるか,というのは本当に難しいと感じました。「正確な情報を早く入手したい」というのは誰にとっても同じくらい重要なことです。「正確な情報を早く伝える」というのは情報を持つべきところが,持っている情報(集約した情報)を正確なものと判断して公表することです。自分ができることを最大限やるしかないのですが,今思えば,当時の自分の行動は全然外部からの情報要求に応えられていなかったと反省するしかありません。
リアルタイムで応えられないとすると,あとからどうやってフォローするか,を考えたいと思うようになりました。このフォローは「取り繕う」というような意味合いではなく,積極的にコミットする仕方という意味合いで使っています。
データベースを紹介します。

長ったらしい名前ですが,要は宮城県図書館で作成している地域情報の記事索引です。1ページに満たない記事や地域誌なども採録対象としているので,NDL-OPAC雑誌記事索引やciniiでは得られない記事に出会うこともあります*1
このデータベース*2のキーワード欄(論文タイトル欄にあらず)に「平成20年(2008年)岩手・宮城内陸地震 」という語をいれて検索すると,この地震関係の記事索引を参照できます。昨年からローカル環境で採録していたデータを随時投入しています。地震直後は一般誌などでもよく取り上げられていましたが,半年から1年経つと,科学的な検証がなされている記事や,調査報告などが見られるようになりました。そして防災対策という点からの検証も増えてきているように思います*3
こういう関係記事の索引化は地味な作業ですし,すぐに役立つとも言いにくいのですが,数多くのデータがそろってくると,後々役立つものです。図書館でできるのは,特にその地域の資料や情報を収集し,そしてアクセスしやすい手段を整える事です。緊急の災害など現在進行形で進んでいることに対しては,何をおいてもその対応をすべきですが,それは当然のことであって,行政機関として,公共施設としてやらなくてはならない対応です。
それとは別に,図書館らしいフォローの一つとして,このような情報のインデックス化というのがあるのではないかと思っています。このような活動がきちっと積み重なって,何か災害について考えるときに必要に応じて利用してもらえるととてもありがたいと思っています。
ということで,あまりまとまっていません。図書館らしいフォローというのがきっとあるんだろうなぁと莫然と思っているというだけなのですが,長ったらしい文章になってしまいました。いろいろ制約があって書けることと書けないことがあるので矛盾やらなんやらが生じているかもしれませんがご容赦を*4

*1:知っている人も多いと思いますが,NDL-OPAC雑誌記事索引採録基準にもあるとおり,3ページ以上の記事を原則として採録対象としています→雑誌記事索引について|国立国会図書館―National Diet Library

*2:見た目とか使い勝手とか,二重レコードの存在や記述文法がいろいろ混在しているとかいう点にはとりあえず目をつぶってもらうとして…

*3:この記事を書いている6月14日時点ではわかりにくいです。

*4:そんな話は今週末のargカフェ@仙台にてしましょうか。