7歳の子が忍者になりたいそうなので、資料を紹介してほしい。

http://crd.ndl.go.jp/GENERAL/servlet/detail.reference?id=1000031188

大阪府立中央図書館所蔵資料でこども向きの忍者について書かれた本をご紹介します。

(1)『乱太郎の忍者の世界』 尼子騒兵衛 文・絵 朝日新聞社 1996 
  絵や写真が多用されていてわかりやすい
(2)『忍術・手品のひみつ』 学研 1992 
  まんがで書かれているので読みやすい
(3)『忍者図鑑』 黒井宏光著 ブロンズ社 2000年 
  7才児には少し難しいが、忍術について詳しく書かれている

大阪には忍者になりたい子供がいる! ……ではなくて。
正確には「大阪府内には,忍者になりたいと思った子供(もしくはその子の親等)が,図書館に質問しに来た」ということです。大阪府立中央図書館の作成事例ですが,質問者が図書館となっていることにより,協力レファレンスの事例であることがわかります。
少し説明しておきましょう。各都道府県には都道府県立の図書館があります。都道府県立図書館は,その地域の市町村立図書館に対して協力することが業務の大きな柱となっています。協力業務には,市町村立図書館の求めに応じて,資料を貸出たり,保存年限の過ぎた雑誌を収集保存したりします。この事例ように市町村立図書館で受けたレファレンスにその館のみでは解決できない場合に,調査を行うのも協力業務の一つです。都道府県立と市町村立図書館には機能が若干違っているのです。もっとも,そのあたりがわかりにくいのは否めません。
図書館は何も大きな図書館だからすばらしいというわけではないのです。家から近い,職場から近い,行きやすいところに行けばいいのです。そこから先は図書館どうしのネットワークで何とかなります。nachumeも「そちらの図書館の資料を借りたいのですが,遠くて行けません」という問い合わせをしょっちゅう受けます。「行きやすい,お近くの図書館に相談してください」と回答することが多いのですが,もう少し図書館ネットワークのことを説明しないといけないでしょう。課題ですね。

大分話がそれました。
「忍者になりたいです!」と子供に言われたら……。親が「この子忍者なりたいって言ってるんですよ。何かありません?」と言われたら……。さぁ,どうしましょう。「なるにはBOOKシリーズ」にあるわけないですよねぇ。「忍者」でキーワード検索してみるものの,いろんなものがヒットします。小説だったり*1,魚図鑑だったり*2,もしくはパソコンソフトの「Ninja」だったり(もっとも児童書だけに絞れば,ほとんどが小説だと思いますが)。分類は何だろうと一瞬悩みます。この事例にもあるとおり,分類としては武道(789:NDC9版)でしょう。
ここに紹介されている以上に本はありそうですね。
「忍者になりたい」という相談を図書館にしたっていいんです。それにしっかり答えてくれる図書館があるんです。レファ協を調べれば忍者になりたい子供向けの本も見つかります。レファ協参加館の方々には,ぜひこれ以外にも「〜〜になりたい」系の事例をたくさん寄せていただきたいと思います。
そのためにも,図書館利用者の皆さん。行きやすい図書館にいろんな質問投げかけてみてください。司書はいろんな資料をいろんな手段で紹介してくれますよ!

*1:参上!ズッコケ忍者軍団 / 那須正幹作 ; 前川かずお原画 ; 高橋信也作画. -- ポプラ社, 1993. -- (新・こども文学館 ; 37)など

*2:海の忍者たち / 中村庸夫著. -- 日本書籍, 1991. -- (お魚まるごと写真館)など