1950年代のアメリカのカフェの写真が載っている資料はあるか。カフェを作るため、参考にしたい。

もう一回くらいジャズを取り上げようと思っていたのですが,コーヒーを飲みながらジャズを聴くというのは珠玉の時間ですので,コーヒーに関連する事例を見ていこうと思います。
といっても,コーヒーそのものではなく,カフェに関するレファレンスです。回答と参考資料を引用します。

<回答>
資料1:小さい絵あり。
資料2:写真はあるが、1950年代当時のものかは不明。
資料3:1950年代をテーマにした現代のレストランの写真あり。
資料4:コーヒー店の写真(白黒)があるが、暗くて店内の様子はわからない。
資料5:1950年代を再現したダイナーカフェの外観の写真あり。P.129にダイナーカフェの内装の特徴についての記述あり。

<参考資料>
【資料1】 アメリカン・メモリ- / 生田保年‖編 / 平凡社 , 1988.12 ( 夢の′50s(フィフティ-ズ) ) D/6749/3038/2
【資料2】 Cafes & coffee shops / edited by Martin M. Pegler. Retail Reporting Corporation : Distributors to the trade in the U.S. and Canada, McGraw Hill, c1995. DF/5268/P37/C
【資料3】 アメリカのテーマレストラン / I.M.Tao‖著 / 商店建築社 , 2000.5 ( Shop design series ) D/526.6/5004/2000
【資料4】 赤狩りプレスリー : 1950-1960 / Time-Life Books編集部‖編 / 西武タイム , c1985 ( アメリカの世紀 7 ) D/2530/8/7
【資料5】 海外旅行者のためのアメリカのカフェ・ガイド / 柄沢和雄‖著 / 雄鶏社 , 1990.6 /2953/3013/90

http://crd.ndl.go.jp/GENERAL/servlet/detail.reference?id=1000013326

このレファレンス回答を質問者に提示するときに注意するのは「カフェを作るための参考にする」という点です。もちろん,参考にするかどうかの判断はレファレンス・ライブラリアンがするのではなく,質問者が行います。その判断をするのに十分な資料の提供がライブラリアンの腕の見せ所です。
回答プロセスが記入されていないのでなんともいえませんが,タイトルに「アメリカ」と「カフェ」や「cafe」などを含む資料にあたっていったのではないかと思います。あとは1点ずつ中を改めていくことになるでしょう。
いくつか,ポイントとなる点を挙げていきます。
この中に,商店建築社の資料があります。商店建築社は『商店建築』という店舗建築に関する専門誌を発行しています。こういう専門誌を発行している出版社をおさえておくと,調査に役立ちます。
洋書も押さえているところがすばらしいですね。アメリカのカフェを探しているのだから,洋書や洋雑誌にあたってみるというのは,通常の思考です。ただ,それが実践できるとは限りませんが(公共図書館では,洋書を所蔵していない,あるいは充分な所蔵がないことが多いし,大学や専門図書館では学術系の資料が中心でこのようなテーマの資料が必ずしも充実しているとは限らないのです)。その意味でも,公共図書館が一定程度の外国資料を所蔵することは意義のあることだと思います。願わくば都道府県立図書館クラスにその役を負ってほしいのですが,財政状況もあって困難だというのが現状でしょう。
回答を見るとわかるとおり,1950年代の写真を入手するのは難しいようです。1950年代風のカフェ,あるいは再現したカフェであればなんとか入手可能です。
さて,気になるのは,その後です。1950年代風のカフェが出来たのでしょうか。うまくお店がオープンしているといいですね。
今でこそ,図書館で資料を探して,お店をデザインするということは,「ビジネス支援」という看板をつけるでしょうが,案外図書館は昔からこのような資料を揃え,応えてきたのです。
図書館を活用して,何かを始めるということが普通の生活に溶け込むようだといいな,とnachumeは思っています。


私事ですが,少し体調を崩していました。みなさんも体調にはお気をつけください。図書館は不特定多数の人が出入りするところですので,うがいや手洗いなど最低限できる予防策はとっておいて,自衛することが大切です(利用者も働いている人も)。