コーヒーに対する年齢別嗜好調査はあるか。

コーヒーに関する調査について。このような統計やアンケートなどの調査に関するレファレンスを受けたときに,レファレンス・ライブラリアンとして押さえておくポイントがこの事例にはたくさんあります。
回答と参考資料を見ていきましょう。

<回答>
個々のテーマで調査した統計報告書はありません。どの機関がどのようなテーマで調査をしたかを調べる資料はありますが、その調査結果が公表されているかどうかは別問題になります。そのことを説明した上で【参考資料】を紹介しました。その後、質問者自身が閲覧した結果、『若者ライフスタイル資料集 2002』(生活情報センター編、R467.5−SHO)(p.454−p.458)が、探している内容に一致していたとのことでした。

<参考資料>
1.『ビジネス調査資料総覧』(日本能率協会総合研究所編、年鑑、R205−SOU)
2.『アンケート調査年鑑』(竹内宏編、並木書房、年鑑、R207−TAK)
3.『若者ライフスタイル資料集』(生活情報センター編、年鑑、R467.5−SHO)
4.『女性の暮らしと生活意識データ集』(生活情報センター編、年鑑、R467.5−SHO)
5.『食生活データ総合統計年表』(生活情報センター編、年鑑、R467.5−SHO)
6.『Xconsious(エクスコンシャス)』(隔月刊雑誌、日本能率協会編)
(1.2.は毎年発行。3.4.5.は隔年発行。)

http://crd.ndl.go.jp/GENERAL/servlet/detail.reference?id=1000002182

調査資料に関するレファレンスのときは,

  • 調査そのものが行なわれているかどうか
  • 調査結果が公表されているかどうか

の2点が重要な点です。

回答にも書かれているように,どのような機関がどんな調査を行なっているかについては,ある程度調べられます。これを調べるときにここにあげられている『ビジネス調査資料総覧』と『アンケート調査年鑑』が役に立ちます。これに加えて,ここにはあげられていませんが,『世論調査年鑑』(内閣府)もあると調査そのものが行なわれているかどうかについては概ね調べがつくと思います。
問題はその次で,調査結果が公表されているかどうか,さらに,調査結果を入手できるか,という点です。シンクタンクや調査会社,政府関係機関など調査を行なう主体はさまざまですが,それらが一般に公表されるかどうかは調査の性質や目的によって違います。一般に公表する目的で調査が行なわれているのであれば入手可能ということになりますが,その調査がどの資料に収録されているかがわからなくて,所蔵調査に困ることも稀にあります(調査名が資料名とは限らないので)。近年,インターネットのみで公表されるものもあるので,冊子体以外にもインターネットも探した方がいいでしょう。
回答する場合には,この事例のようにこれらの点を踏まえ提示することが必要です。きちんと資料群の特性を説明し,提供できる資料を提供する。これは,事例の提供をした専門図書館のみならず,公共図書館大学図書館などあらゆる館種に共通します。
参考資料にあげられた資料を見る機会があれば,ぜひ手にとってみてください。『ビジネス調査資料総覧』などは,いろんな種類の調査事項があって,それを見ているだけでもなかなか面白いですよ。