喫茶店の由来及び歴史について(特に日本において)

レファ協のシステムメンテも終了して,ブラッシュアップがはかられたようです。データ入出力部のXML化や,クライアントツールの提供が始まるなどじっくり見れば面白そうなところがあるので,じっくり見ようと思います。
さて,コーヒーの続きです。4月から係が変わったnachumeは毎日コーヒーを昼食時に飲んでいます。前の係ではこんなにコーヒーを飲むことは無かったのに……。
無駄話はさておき,よくあるタイプのレファレンスでしょうか。起源探しものとでもいうのでしょうか。喫茶店の由来です。回答と参考資料を見てみましょう。

<回答>
資料[1]p466−467に「喫茶」,「喫茶店」についての記載があった。参考文献として資料[2],[3]も載っていた。

<参考資料>
[1]『日本民俗大辞典 上』出版社:吉川弘文館,出版年:1999.10
,ISBN:4642013326,TRC:99037124,NDC:380.33(資料番号:111054235,請求記号:R380.3 ニ)
[2]『コーヒー・ハウス』著者:小林 章夫,出版社:講談社,出版年:2000.10,ISBN:4061594516,TRC:00044419,NDC:233.3(資料番号:111630430,請求記号:B233.3 コ)
[3]『明治事物起原 8』著者:石井 研堂,出版社:筑摩書房,出版年:1997.12
,ISBN:4480083685,TRC:97052398,NDC:031.4(資料番号:111726261,請求記号:B031.4 イ)

http://crd.ndl.go.jp/GENERAL/servlet/detail.reference?id=1000033349

定番のツールをしっかり押さえています。由来・起源を探るものとしてはこの参考資料の[3]に挙げられている『明治事物起源』は押さえておくべき所でしょう。また,喫茶店のような少なくとも近代以降の風俗・民俗に関係するようなものについて,民俗事典の類をみるのも悪くありません。この事例では民俗事典から見ていったようですが,結局辿り着く資料は同じだと思います。
由来や起源を探る資料は各図書館にレファレンスブックとして備えられていると思います。通常の書架にもこの手の本はたくさんあります。
この事例にあがるような由来・起源探しのレファレンスに回答するときは,それらの資料が質問者にとって十分なものであるかどうか,という点にも留意しなくてはなりません。参考文献が明示されていない,著者がどこの誰だかよくわからない,というような資料はあまり回答にふさわしいとは言えません。それしか無かったら仕方ないですが,その場合も,調査した資料とともに提示し,「これだけ探して,これに載っていた」というような回答の仕方が必要です。
この事例では,しっかり回答できていますし,すばらしいですね!