国立国会図書館データベースフォーラムに参加したよ。

10月29日,30日の両日全国図書館大会が東京で開催されました。その関連行事として,31日には国立国会図書館の作成するデータベースについて,概要や使い方などをデモンストレーションするデータベースフォーラムが行われました。フォーラムでは,レファレンス協同データベースが取り上げられるとのことで,nachumeもたまっている代休を充てて参加したのでした。東京本館に行ったのは久しぶりです*1
レファレンス協同データベースのプレゼンテーションは20分程度。コンパクトにまとまっていて,とてもわかりやすいものでした。資料は(いずれ公開されると思いますが),関西館で9月に行われたものと同様のものです(登録されているレファレンス事例データ数が9月下旬の数値に更新されています)*2
何点か質疑応答がありましたので,メモ程度に記しておきます。いずれも現地メモを元に書いています。細かいニュアンスとか無視してます。質疑も含めて,そのうち公開されると思いますので,正式なものはそれを待って利用してください。

レファレンス事例は実際のレファレンスを公開しているが個人が特定されたり,公開することによって生じるかもしれない問題について対策はあるのか。
ガイドラインがある。一般公開するにあたっては,プライバシーへの配慮,質問者の特定を避ける,表現に注意することの三点が必須である。詳しくは参加館に一冊ずつ配布している『レファレンス協同データベース事業データ作成・公開に関するガイドライン』を見て欲しい。*3
レファレンス協同データベースを見ていると,登録に積極的な館とそうでない館があるが,事務局で何か対策をとっているのか。
レファレンス協同データベースに参加するにあたっては,最低1件のデータ登録が必須になっている。図書館の運営体制によってはレファレンス協同データベースへのデータ登録が必ずしもうまくできないところがあるのは事実。そういう図書館に対しては,個別にフォローをすることもできる。が,このことは,事務局でも課題として認識している。

レファレンス協同データベースが国立国会図書館提供のデータベースと異なる点は,データそのものをいろいろな図書館が協同して作成しているという点です。参加館が対等な立場で各種データを提供することにより,厚みのあるデータベースになっていくのです。蔵書規模の大小,館種の差は,むしろその図書館らしさを表すデータとして存在します。nachumeはこのことをすごいことだと思うのですが,いかがでしょう。
現実にnachumeも参加館に勤務する職員です。そして,決して活発に事例を登録している館とは言えません。運営体制を固めて,レファレンス協同データベースへの積極的な参画が自館にとってメリットである,ということをまずは館内で認識を共通にする必要があると思います。そして,それは管理職員もわかっている必要があります。nachumeは現在そのあたりへの説得と,レファレンス担当業務とレファレンス協同データベース業務をうまくリンクさせる業務体制の構築に取り組んでいます。それがうまくいけば,少なくとも今よりは積極的な参加ができるはず。このあたりは各館の事情があると思いますので,一概にこうした方がいい,という言い方はできません。が,事務局の方々は一生懸命そういう相談にも乗ってくれますので,もし,レファレンス協同データベース担当者が一人で悩んでいるようであれば,事務局に相談してみてください。あるいは,参加館むけの掲示板で相談してみてください。なにかヒントが得られるかもしれません。
さて,11月はコメント月間だそうです。レファレンス協同データベースの事例が参加館同士のコメントによって,ブラッシュアップされていくことがあります。なんどか取り上げましたが,11月は勝手に便乗して,コメント活用事例をいくつかとりあげてほめまくりの記事にしたいと思います。
11月もレファレンス協同データベースを活用した図書館サービスが実践されることを願ってます!

*1:そういえば,数年前に国立国会図書館の職員採用試験を受けた以来です(誤解されたので追記。試験には落ちましたのでnachumeは国立国会図書館の職員ではありません。数年後に某図書館に拾ってもらいました。)。随分久しぶりです。ここ数年は行くとすれば関西館ばかりでした。資料が必要になってもオンラインで複写の依頼ができるようになっているし,直接行かなければならない用事が(幸いにして)なかったんです。

*2:http://www.ndl.go.jp/jp/dbforum/handouts.html

*3:ガイドラインについては,レファレンス協同データベース事業 データ作成・公開に関するガイドライン でも見ることができます。