「コーラの早飲みで大学生(?)が救急車で運ばれた」というような新聞記事を探している。おそらく1994年以前だと思う。紙名は不明。

アルコール飲料の一気のみで事故が起こるのは(残念ながら)よく耳にします。「アルハラ」なる言葉も誕生したくらいです。が,今回はアルコールではなくて炭酸飲料です。この事故,なんとなく聞いた覚えがあるなぁ……とnachumeは思いました。ただいつの出来事だったか全然思い出せないので,調査のとっかかりにすらならない記憶です。むー。
回答,回答プロセス,備考を引用します。

<回答>
『HIASK』での検索をしたところ、名古屋の大学生らのアルコール中毒の記事はあるがコーラの記事はなかった。

<回答プロセス>
『 1987ー1993』〈飲料〉〈事故〉の項目になし。『朝日新聞縮刷版 1994.1ー12 索引』〈事件・事故〉の項目になし。

<備考>
近畿大学中央図書館よりコメントをいただく(2006/09/06)。以下、資料情報の本文。
1991年11月4日付の下記新聞に、該当すると思われる記事が掲載されていました。
(1) 毎日新聞 「コーラ一気飲み後、急死 コンテスト出場の学生−中央大学学園祭」 23面
(2) 読売新聞 「早飲み競争後、死ぬ 中大文化祭で拓大生」 30面

http://crd.ndl.go.jp/GENERAL/servlet/detail.reference?id=1000017637

前回同様,レファレンスそのものとしては,うまく資料を提供できなかった事例です。
事例作成日が1995年ということはおよそ10年前。「HIASK」は朝日新聞の電子縮刷版です。「CD-HIASK」と呼ばれることが多いです。1年ごとの記事を収録していましたが,現在は刊行がなく*1,電子縮刷版としてはオンラインデータベース「聞蔵」に一本化されています。電子縮刷版には,冊子体の縮刷版と異なり,地方面の記事も収録されていて,便利でした。ただ,著作権処理ができずに紙面にはあるものの,CD-ROMには収録されない記事もあり,CD-ROMだけで「ありません」と答えるのは少々危険がありました(オンラインデータベースが全盛の現在でもこの種の問題はあります)。
『読売ニュース総覧』は冊子体の記事索引です。電子データを検索できないときには,この手の資料を使います。最近ではあまり手にすることがないものかもしれませんが,レファレンス・ライブラリアンとしては,実際に使って慣れておくことが必要です。毎日新聞だと『毎日ニュース事典』,朝日新聞だと『朝日新聞記事総覧』という索引誌があります。そのほかこの事例とは関係ありませんが,『大正ニュース事典』や『明治ニュース事典』(いずれも毎日コミュニケーションズ出版)など新聞記事の索引は多数あります。公共図書館レファレンス・ライブラリアンは地元の地域紙の索引の有無を押さえておく必要があります。図書館が作成しているところもあります。いずれ,新聞記事を探すツールはたくさんありますので,定番のツールに慣れておく必要があります。またそれらは利用者にとっても有用なので,利用者のセルフレファレンスに資するような配架をしておきたいものですね。
この事例の場合,年度を横断的に調べるのは『読売ニュース総覧』を用いています。そして,新聞の縮刷版を参照しています。残念ながら,求める記事はありませんでした。せめて中央紙の記事索引にはあたってほしかったなあと思いますが,これがこのまま,「見つかりませんでした」という記録では勿体ないです。
未解決,うまく探せなかった資料も事例を公開していると誰かが追試してくれる可能性があります。回答プロセスがきちんと記入されており,他者が追試可能な記述がなされていることが前提ですが。
備考欄を見ると,コメントにより資料が見つかったようです。1991年頃に実際にコーラの早飲みで死亡事故が起こっていることは確からしいですね。近畿大学中央図書館のコメントによるものですが,レファレンス事例をいろいろとみていくと,「近畿大学中央図書館からコメントを頂きました!」という一文をよく目にします*2レファ協を用いた研修への取り組みが半端ではないのでしょうね。見習わないと。
話が行ったり来たりですが,コーラの早飲みってとんでもない事故につながる可能性があるのですね。一発芸とかいう次元じゃない……ですよ……ね。
なんだか事例の分析というよりも,事例そのもののインパクトが強く印象に残るレファレンス事例です。

*1:2005年版で刊行終了です

*2:コメントによってブラッシュアップされている事例のうち,相当数を近畿大学中央図書館が占めているように思いますが,そういうのって具体的に検証できるのかな……。